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「3歳歯科健診について~お子様の成長と共に気をつけること~」

2024.01.24

記事監修

安田恵理子先生

日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長

1歳6か月児健診から1年半。
3歳児健診も母子保健法に定められた健診で歯科健診もあります。
お父さんお母さんも親として慣れてきたというか、落ち着いてきましたか?
食事や歯磨き等、生活のリズムは整いましたか?
乳歯も全て生え揃いましたね?
その根っこの下には永久歯が乳歯と入れ替わる時を待って育ってきています。

今までと変わらず、歯に栄養のあるものをしっかり食べさせてあげて下さい。
繊維のある野菜も食べてますか?
我が家でカナダに住んでいた時、次男が通っていた3歳までのデイケアナーサリーではスナックタイムにはお菓子ではなくて、ニンジンやセロリのスティックを子ども達が喜んで食べていてなるほどと感心しました。
おやつは甘いお菓子であるという固定観念はありませんか?
甘いものである必要は無いですよね?

歯磨きも嫌がらず出来てますか?
仕上げ磨きも親子の触れ合いタイムとして楽しんでますか?
親として磨くコツも身についてきましたか?
歯と歯の間のスペースが無いところはフロスしてあげてますか?
フッ素入りの歯磨き剤を使ってますか?

最近はドラッグストアで歯ブラシや歯磨き剤をはじめ、いろいろな歯科関係のグッズが手に入るようになりました。
歯磨き剤はフッ素入りのもの(濃度表示も確認)を使って下さい。
ただし、子どもが誤って歯磨き剤のチューブごと食べるなど大量に飲み込まないように注意はしましょう。
歯ブラシはシンプルなもので充分ですが、お子様のやる気がでるようなグッズも取りいれながら工夫してみて下さい。

むし歯がなくて痛くない状態でも歯医者さんに行って歯科健診を受けましょう。
子ども向けに歯磨きのレッスンがあったり楽しいところですよ。
年に数回で良いので歯科医院に通ってみましょう。
必要な時は歯にフッ化物を塗布してもらうのも歯質強化に有効でしょう。

このくらいの年齢では指しゃぶりにも注意しましょう。
多いのは親指を口に入れて上顎(硬口蓋)や前歯を強く押すことです。
長く癖として続くと歯の移動で矯正する必要性があると断定はできませんが、上の前歯が前方に傾斜したままになりますし、硬口蓋は指で押されて深くなります。
他に興味があることに熱中してもらって指しゃぶりが減るような工夫をしていきましょう。

保育園や幼稚園、幼児教室等で同じ年ごろのお友達と身体を動かして思い切り遊んだりしていると、いつの間にか指しゃぶりが無くなるということは良くあります。
怒ったり焦ったりせず、ゆったりした気持ちで落ち着かせてあげましょう。

記事監修

安田恵理子先生

日本口腔衛生学会専門医
日本産業衛生学会 産業歯科保健部会長

プロフィール

1988年 朝日大学歯学部卒業後、神戸市立中央市民病院歯科口腔外科研修医から歯科医師としての臨床スタートをし、兵庫医科大学大学院(口腔外科)で医学博士取得。子育てを通して予防の大切さを感じ、現在、大阪歯科大学歯学部口腔衛生学講座非常勤講師、COH労働衛生コンサルタントとして教育および企業での健診など予防啓発活動に従事し、またクリニック勤務で歯科臨床にも携わっている。