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地域の保健センターってどんなところ?子育て支援サービスを上手に活用しよう!

2022.09.01

これまで産婦人科オンラインでは、様々な子育て支援サービスについてご紹介してきました。しかし、それらのサービスの拠点となる、市町村の保健センターについては、知られていないことも多いのではないでしょうか。
保健センターでの乳幼児健診や電話相談などで「こんなこと聞いていいのかな」「こんなこと恥ずかしくて言えない」「何か指摘されてしまうのではないか」と思うかもしれません。ですが、そんな心配はいりません。是非今日から育児の強い味方にしてみませんか?

保健センターとは、地域住民に対し幅広い健康支援を提供している施設です

保健センターは、健康や地域保健に関し必要な事業や身近な対人サービスを行う施設として、市町村、政令指定都市の区、東京都23区内の各地区に設置されています。一方、保健所は、都道府県、政令指定都市、中核市や東京都23区に設置され、地域住民の健康を守るための研究や情報収集、市町村への助言を行います。

まずは、お住まいの地域の保健センターを探しましょう。
※自治体により、「保健センター」として別の名称を用いている場合や、保健所が保健センターの機能を兼ねている場合もあります。詳しくは、お住まいの地域の市区町村ホームページなどで確認しましょう。

保健センターでは、妊娠から子育てに関連する、様々なサービスを提供しています。

まず妊娠すると、最初に必要な手続きである妊娠の届出と母子健康手帳の公布があります。

どんな些細なことでも、妊娠から育児期まで切れ目なくサポートします

保健センターには、保健師・助産師・看護師・栄養士・歯科衛生士・臨床心理士・保育士など様々な職種の専門家が従事しています。事業やイベントの際はもちろん、それ以外でも開館時間であればいつでも相談対応できる体制を整えています。

特に保健師は地区ごとに担当を持ち、お母さんや赤ちゃんの悩みに対応できるエキスパートです。様々な職種や、病院などの施設との間の重要なパイプ役となり、継続的な支援を提供できるようコーディネートする役割も担っています。例えば、母親が周囲のサポートを得つつ、ストレスなく育児に取り組むための支援として、産後ケアセンター・育児支援ヘルパー・ファミリーサポートセンターなどのサービスも、案内することができます。

このように担当保健師がいるからこそ、子どもとその家族に合った支援を継続して受けることができます。さらに、地域全体が子育てしやすい環境となっていくことに繋がります。

子育てに、聞いて恥ずかしいことなどありませんし、責められたり否定されたりするものでも決してありません。
保健センターは「指摘」や「指導」を受ける場ではなく、必要な「支援」を受ける場としての機能を備えています。

どこに相談して良いものか迷ったら、まずお住まいの地域の保健センターに、気軽にお話ししてみましょう。ネガティブな感情も吐き出してOKです。きっと気持ちが楽になり、解決のヒントが見つかるはずです。どんな些細なことでも構いません。まずはその扉を開いてみませんか?

参考文献
・最近の母子保健行政の動向 平成31年(厚生労働省)
・子育て世代包括支援センター業務ガイドライン 平成29年(厚生労働省)
・周産期からの子ども虐待予防・ケア 保健・医療・福祉の連携と支援体制

(助産師 小松由美子)